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宛転
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えんてん
ふりがな文庫
“
宛転
(
えんてん
)” の例文
ことに
宛転
(
えんてん
)
たる
嬌音
(
きょうおん
)
をもって、乾燥なる
講筵
(
こうえん
)
に一点の
艶味
(
えんみ
)
を添えられたのは実に望外の幸福であります。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
件
(
くだん
)
の経文に〈この道人、頭破れ血
瀝
(
したた
)
り、床座を
沾汚
(
てんお
)
す、駆りて
角
(
すみ
)
に入らしむ、急を得て糞を失す、次第七人、皆打棒せられ、地に
宛転
(
えんてん
)
す〉とあるから転化したのだ。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
惟
(
おも
)
うにこれただ一例のみ。高材逸足の士、出頭の地を求めんと欲す、万一
知己
(
ちき
)
に遭う、あるいは
可
(
か
)
なり。もし遭う
能
(
あた
)
わずんば、彼らは利器を
抱
(
いだ
)
いて、拘文死法の中に
宛転
(
えんてん
)
たらざるべからず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
和して聞ゆる一曲の管声が、今も
宛転
(
えんてん
)
として満野のうちに流れているのです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
首尾
相
(
あい
)
類
(
たぐ
)
う、因って両頭蛇という、余これを視てその尾端けだし首に類して非なり、土人いわくこの蛇すなわち老蚯蚓の化けしところ、その大きさ大蚓を過ぎず、行は蛇に類せず、
宛転
(
えんてん
)
甚だ鈍し
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
宛
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
転
常用漢字
小3
部首:⾞
11画
“宛転”で始まる語句
宛転悠揚
宛転滑脱