守銭奴しゆせんど)” の例文
旧字:守錢奴
大日向教の内幕はお話にならぬほどの乱脈で、教主の専造は、金銭にかけては守銭奴しゆせんどに近い方で、いつも金の事になると伊庭と激しい争ひを演じた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
さうかと思へば Cercidas と云ふ所謂いはゆる犬儒派けんじゆはの哲学者は「蕩児たうじ守銭奴しゆせんどとは黄白くわうはくに富み、予ばかり貧乏するのは不都合ふつがふである! ……正義は土豚どとんのやうに盲目なのか? Themis(正義の女神)のめいおほはれてゐるのか?」
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)