孤寂こじやく)” の例文
日本の版画を愛し、日本の古玩こぐわんを愛し、更に又日本の菊花を愛せる伶※れいへい孤寂こじやくのゴンクウルをおもへば、青楼の一語短なりといへども、無限の情味なきあたはざるべし。(一月二十九日)
然しそれが却つてよく單調子の天然に親しんで來て、見渡す限りの原野が孤寂こじやくな自分の自覺内に這入つて來た。すすきの野を出でて檞の林に入り、檞林を出でてまた薄の野に入る。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)