存候ぞんじそうろう)” の例文
「重々難有ありがたき御言葉。何分老年と申し覚束おぼつかなき事に存候ぞんじそうろう。しかし御方様よりの仰せに付、かしこまり奉る。まことに身に余る面目。老体を顧ず滞京、千代造稽古の儀御請おうけ申上もうしあげ候」
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
皆目見当も附かぬ事なれば壁際に難を避けんとする処、陳は手前の背後より抱付だきつきて匕首を突刺し其まま何処いずくへか逃去申候にげさりもうしそうろう、たいへんなる痛手にて最早余命幾許いくばく無之これなく存候ぞんじそうろう
の問題を真面目に議すべき時節到来せりと存候ぞんじそうろう、貴下は父としての主張あるべく、芳子は芳子としての自由あるべく、小生また師としての意見有之これあり候、御多忙の際には有之候えども
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)