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嬾
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ものう
ふりがな文庫
“
嬾
(
ものう
)” の例文
律詩の前聯に「逢迎到処忘為客。得失従来嬾問天。」〔逢迎到ル処客
為
(
た
)
ルヲ忘レ/得失従来ヨリ天ニ問フニ
嬾
(
ものう
)
シ〕と言っているのを見れば
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
成程さう思つて見ると、
何
(
ど
)
うかしてゐるらしくもある。
色光沢
(
いろつや
)
が
好
(
よ
)
くない。
眼尻
(
めじり
)
に堪へ難い
嬾
(
ものう
)
さが見える。三四郎は此活人画から受ける安慰の念を
失
(
うしな
)
つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何所
(
どこ
)
で
地
(
ぢ
)
が
尽
(
つ
)
きて、
何所
(
どこ
)
で
雲
(
くも
)
が始まるか
分
(
わか
)
らない程に
嬾
(
ものう
)
い
上
(
うへ
)
を、
心持
(
こゝろもち
)
黄
(
き
)
な色がふうと一面にかゝつてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三四郎は此表情のうちに
嬾
(
ものう
)
い憂鬱と、
隠
(
かく
)
さゞる快活との統一を見出した。其統一の感じは三四郎に取つて、最も尊き人生の一片である。さうして一大発見である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
瞬
(
またた
)
くも
嬾
(
ものう
)
き空の中にどろんと溶けて行こうとする。過去はこの眠れる奥から動き出す。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嬾
漢検1級
部首:⼥
19画