嬉敷うれしい)” の例文
主人ながら友達ともだち共思ふ仲よしのかうはいつた物の、言過て病にさわりはせぬかと今更冷汗色をかえての心配顏、嬉敷うれしいに附我身のかひなさ堪兼たえかねて夜着に顏差入て忍なき
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
日頃農夫の生活に興を寄せる蓮太郎、うして炉辺ろばたで話すのが何より嬉敷うれしいといふ風で、すゝけた屋根の下を可懐なつかしさうにながめた。農家の習ひとして、表から裏口へ通り抜けの庭。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)