嫡流ちやくりう)” の例文
御子三位さんみの中將殿(維盛)は歌道かだうより外に何長なにちやうじたる事なき御身なれば、紫宸殿ししいでんの階下に源家げんけ嫡流ちやくりう相挑あひいどみし父のきやうの勇膽ありとしも覺えず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
不肖ふせう家時、清和の嫡流ちやくりうに生まるといへど、かなしいかな、徳なく才とぼしく、家祖の遺託にこたふるあたはずして、苦計むなしくやぶれ、かへつて、家統も危きを見、わづかに家名の絶えを支へんため
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)