媽港マカオ)” の例文
毛剃けぞり九右衛門のような船頭ときもに毛の生えた上乗うわのりに差配をさせて、呂宋ルソン媽港マカオのあたりまで押し出させる一方、北条の運漕までも引受け
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いま唐船あきないが停ったかたちになっていますが、そこをつけこんで、媽港マカオあたりの英国商人がわれわれの荷を買占めにかかろうとしています。
「長崎から媽港マカオあたりまでですと、順風でおよそ十四、五日には着きましょうが、それから先は天候まかせで、予定の日をもっては参るわけにゆきません」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち呂宋ルソン媽港マカオ、安南、東京、占城チャンパ柬埔塞カンボジア暹羅シャム太泥パタニ等と貿易をしたのは相当旧くからであるが、それらの国々へ渡航する船舶に対し、官許の免許状(朱印)を与えて
「ついこのお正月までは、日本におりましたが、もう長崎を立って、媽港マカオから印度のほうへ帰ったかもしれません。従兄弟いとこからの手紙には、多分二十日頃出帆するだろうと書いてありました」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)