なか)” の例文
何しろ男子禁制の大奥の女人たちには、ここの杉戸をなかに、小姓の手へ触るぐらいなことが最大な愉しい機会だったらしい。
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巧雲は茶碗を受けて天目台に乗せ、わんふちを白絹で拭いた。そして、如海にょかいへささげ出すと、如海の指と女の白い指とが、碗をなかだちにして触れあった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)