姉妹あねいもと)” の例文
三年越しの流浪にて、乞食こつじきの境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹あねいもとともさぞ得三に、憂いつらい目を見るならむ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兄弟や姉妹あねいもとがあつたか。それとも可哀かはいらしい子供もあつたかも知れない。
五三 郭公かっこう時鳥ほととぎすとは昔ありし姉妹あねいもとなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
波浪に浮ぶ姉妹あねいもと水の仙女に宣んし曰ふ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
かの執念の姉妹あねいもとには見棄てられ
乳に育つた姉妹あねいもと……
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
前にも既にうごとく、この人形は亡き母として姉妹あねいもとが慕い斉眉かしずく物なれば、宇宙の鬼神感動して、仮に上﨟の口をりかかる怪語を放つらんと覚えず全身粟生あわだてり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)