妹聟いもとむこ)” の例文
そしてまさか、前執権ぜんしっけん妹聟いもとむこの高氏のふところにも、後醍醐の綸旨りんじがかくされていたなどとは、疑ってみる者すらもなかったのだ。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当主貞氏は長い病身で、営中でも忘れられていた程だし、一子高氏は凡庸ぼんようと見られて、久しく客もれな門だったのだ。それが、執権の近親赤橋どのの妹聟いもとむことなると分ったのである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
守時とて北条一族の内、その妹聟いもとむこに、宗家そうけへ弓を引く反逆の子を出したことです。世間の疑いの目、そしりの声、それはまだ忍ぶとしても、この御存亡の日を、ただよそ目には見ていられません。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さすがは、赤橋殿の妹聟いもとむこ、うわさのごとく、なかなかな器量人きりょうじんか」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(柴田殿こそ、故信長様も、生前よりゆるされていた妹聟いもとむこである)
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)