妹御いもうとご)” の例文
すると、この大黒が出来上がって間もなく、妹御いもうとごのお綾さんが、時の大官大隈重信しげのぶという人の処へ貰われて大変に出世をされた。
またいつか御恩返しのできる事もありましょう。……それではこれで御免くださいまし。お妹御いもうとごにもどうか着物のお礼をくれぐれもよろしく
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
くちけてもいうじゃァねえぞ。——南御町奉行みなみおまちぶぎょうの、信濃守様しなののかみさま妹御いもうとごのお蓮様れんさまは、浜村屋はまむらや日本にほん一の御贔屓ごひいきなんだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
賀古氏も緒方氏にも妹御いもうとごがおありなので、卒業後兄に縁談のあった時に、「あんなに仲よくしていたのだから、どちらの方でももらって、ほんとの親戚しんせきになったらよかろうに」
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
十日でも二十日でも身動きが出来ねえ、然うすりゃア年をとったお母様ふくろさまはじめ妹御いもうとごも心配だ、其の心配を掛けさせくねえからねえ、然う云う馬鹿があるめえものでもねえのサ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妹御いもうとごのおいちどのを助けだしておいてから、殿にお腹をめさせようと云う所存であろうと申す者もあり、評議はまち/\でござりましたが、ながまさ公は使者にたいめんあそばして
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)