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奸黠
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かんかつ
ふりがな文庫
“
奸黠
(
かんかつ
)” の例文
あれ以来、ますます人相にも
奸黠
(
かんかつ
)
の度を加えてきた、セルカークを
憫
(
あわれ
)
むようにながめている。ただ、氷河の氷擦が
静寂
(
しじま
)
を破るなかで……。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その
奸黠
(
かんかつ
)
なる工事は、もとよりいかなる
係蹄
(
わな
)
をも許す戦争ではとがむべきことではないが、いかにも巧みになされていたので
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ラサリーリョ少年が
奸黠
(
かんかつ
)
な
座頭
(
ざとう
)
の手引きとなって連れて行かれる途中で、橋飾りの
牡牛
(
おうし
)
の石像に耳をつけて聞けばどえらい音がしているといって
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
十九の娘が、かくも大胆に、かくも
奸黠
(
かんかつ
)
に、私を
欺
(
あざむ
)
いていようとは! ナオミがそんな恐ろしい少女であるとは、今の今まで、いや、今になっても、まだ私には考えられないくらいでした。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ですからじきに人工であるということが発見された。そこでこういうものをもって人を欺いて金を取る
奸黠
(
かんかつ
)
な手段がこの仏教の盛んなチベット国において行われて居るというのは実に奇態である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
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それは昨年の十月二十九日陰険
奸黠
(
かんかつ
)
な英帝国の対支策謀の事実が次から次へと暴露してちょうどこの日赤坂三会堂における第三回の排英大会に我が日本国民の血潮が沸騰し切っていたその当日のことであった。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
奸黠
(
かんかつ
)
な商売の金庫に光空しく死せども
象徴の烏賊
(新字旧仮名)
/
生田春月
(著)
三伝が生きて——もしそうだとしたら、たぶんあるにちがいない
奸黠
(
かんかつ
)
な
綾
(
あや
)
のなかに、船場の遺書も自分の苦悶も、みな筋書のようにして織り込まれているのではないだろうか
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
奸
漢検1級
部首:⼥
6画
黠
漢検1級
部首:⿊
18画
“奸黠”で始まる語句
奸黠老獪