奴鰻やっこうなぎ)” の例文
奴鰻やっこうなぎで一杯飲みながら——米友は飲まないけれども——その絵師の縦横の画談を聞きつつ、彼が自分を床の間に立たせて、写生を試みている熱心な態度を思い出してみると
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
御蔭おかげさまで、好いうちが手に入りまして……」と誇る事を知らぬ小夜子は云う。本当に好い家と心得ているならなさけない。ある人に奴鰻やっこうなぎおごったら、御蔭様で始めてうまい鰻を食べましてと礼を云った。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わざと門跡もんぜきの中を抜けて、奴鰻やっこうなぎの角へ出た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)