女世帯おんなじょたい)” の例文
こういう時には酒がなくてはならぬと思って、台所を探し廻ったが、女世帯おんなじょたいの事とて酒盃さかずきひとツ見当らない。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「でもねえ、女世帯おんなじょたい角店かどだなに住むなんて、少し晴れがましすぎると思うから」
枡落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
手一ツの女世帯おんなじょたいに追われている身は空が青く晴れて日が窓に射込さしこみ、斜向すじむこうの「宮戸川みやとがわ」という鰻屋うなぎや門口かどぐちの柳が緑色の芽をふくのにやっと時候の変遷を知るばかり。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)