奔出ほんしゅつ)” の例文
そこで先ず試みに一微風を漏脱ろうだつしたところ、ことごとく思量に反して、あとはもはや大流風の思うがままの奔出ほんしゅつを防ぎかける手段てだてもなかった。
閑山 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
平次が指さした壁の上、ちょうど二人の帰りみちふさぐように、どっと一条の巨大な水柱が奔出ほんしゅつして来たのです。
斬り開かれた腹部から中庭の石に臓腑ぞうふがつかみ出されていたにかかわらず、どくっどくっと、死直後の惰力だりょく動悸どうきを打って、あたたかい血を奔出ほんしゅつさせていた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)