大雷おほいかづち)” の例文
かれ左の御髻みみづらに刺させる湯津爪櫛ゆつつまぐし一二の男柱一箇ひとつ取りきて、ひとともして入り見たまふ時に、うじたかれころろぎて一三、頭には大雷おほいかづち居り、胸にはの雷居り、腹には黒雷居り、ほとにはさく雷居り
古事記にも大雷おほいかづち黒雷くろいかづち等とあるが私はかつてイカヅチは厳槌いかづちで、巨大な槌といふ語原だらうと思ひ、上代人が、彼の響きを巨大な槌をもつて続けさまに物を打つと考へたその心理を想像したのであつたが
雷談義 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)