大法会だいほうえ)” の例文
旧字:大法會
例年は正月の十一日は大法会だいほうえがあるはずなのが、去年は諒闇りょうあんのことがあったり、天下多事の際、遠慮してこの秋まで延ばされたものらしい。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
チョエン・ジョェという大法会だいほうえ は私共がかつて見たことのない法会で、今図面に現われて居るように二町四面の釈迦堂のその中に、一町四面の根本こんぽん釈迦堂がある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
白河院の頃までは、天王寺の舞人まひけれども、させることはなくて、大法会だいほうえにかりいだされけるを
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
三月二十二日あたりから四月七日ごろへかけて日光大法会だいほうえのために東下する勅使や公卿たちの通行の混雑で、半蔵は隣家の年寄役伊之助らと共に熱い汗を流し続けた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ある日その寺に大法会だいほうえありて、隣村の老婆も参詣さんけいせしに、住職の小児の歯痛をうれうるものを呼びて、そのほおに手をあて、一心に『アビラウンケンソワカ』といえる呪文を三べん繰り返して唱うれば
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
釈迦堂へ何を上げて来ても、あるいは大法会だいほうえの時分に、僧侶に対して信者から「ゲ」を与えるにも、いったん大蔵省に納めて後大蔵大臣の命令によって皆に分つのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
僧侶は三日からこの大法会だいほうえに出て、読経どきょうその他の忙しき仕事に従事しなければならんというところから、大抵十二月二十日から正月休みという休養日を与えらるるが例です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)