大業おほげふ)” の例文
婆あさんはセルギウスの手を取つて、優しく微笑んで云つた。「でもそれはあんまり大業おほげふにお考へなさるのぢやありますまいか。」
箱の中に何があるかを知り拔いてゐる自分も、父の手つきが大業おほげふなので、一寸胸を躍らせて蓋のらるゝのを待つといふやうな心地になつた。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
今度は如何にも大業おほげふに、「あゝ暑い、冷い水が欲しい。帶なんぞ取つちまふわ。」亂次だらしない姿になつて、「ほんとにくたびれてよ。雨が降るのに車屋がゐないんですもの。」
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
其處そこ相談さうだんをして水盤すゐばんへ……もちつ大業おほげふだけれども、まさか缺擂鉢かけすりばちではない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(此時ロミオうめく。)なん其樣そのやうなげかッしゃるのぢゃ、なん其樣そのやう大業おほげふに?