大松明おおたいまつ)” の例文
袂から呼子の笛を探り出して、長次郎がふた声三声ふき立てると、それを合図に銀蔵が枯枝の大松明おおたいまつをふり照らして駈け付けた。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二十日の暁に至って大松明おおたいまつの事、引続き竹ならし切の事、鳴鐘。午刻出仕して蓮華会を修する。すなわち竹伐修行の事で、法会、列讃、行道賛。
大松明おおたいまつしばに用いるはんの木が乏しくなったので、今はハゲシバリを代用していると京都民俗志にはあるから、名は一つでも式は村毎にややちがっていると見える。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
空は晴れて、かすみが渡って、黄金のような半輪の月が、うっすりと、淡い紫のうすもの樹立こだちの影を、星をちりばめた大松明おおたいまつのごとく、電燈とともに水に投げて、風の余波なごり敷妙しきたえの銀の波。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「例の大松明おおたいまつはどうだ」