多弁たべん)” の例文
平生へいぜい多弁たべんの老人はかえって顔に不安ふあん沈鬱ちんうつのくもりを宿やどし、あいさつもものういさまである。その気違きちがいというはこの老人ろうじん前妻ぜんさいなのだ。長女おまさが十二のときにまったくの精神病せいしんびょうとなったのである。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)