外目ほかめ)” の例文
その街の近郊外目ほかめの山あひに恰も小さな城のやうな何時も夕日の反照をうけて、たまたま旧道をゆく人の胆仰の的となつた天守造りの真白な三層楼があつた。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その街の近郊外目ほかめの山あひに恰も小さな城のやうに何時も夕日の反照をうけて、たまたま舊道をゆく人の瞻仰の的となつた天守造りの眞白な三層樓があつた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
肥後玉名郡南関なんくわん、そのかみの関町せきまち、その字外目ほかめは我が母の生地にして、我にも亦、第二の故郷たり。乃ち、大牟田より先づ出迎の叔父たちと共に上内の山を越えてその土を踏む。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
外目ほかめの祖父は雪の日の爐邊に可哀いい沖ノ端の孫を引きよせながら懷かしさうに佛蘭西式調練の小太皷の囃子を歌つて聽かす外にはまだ穉い子供に何らの讀書の權能をも認めて呉れなかつた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
私はよく彼女かれ外目ほかめの母の家に行つては何時も長々と滞留した。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私はよく彼女かれ外目ほかめの母の家に行つては何時いつも長長と滯留した。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
病みこやす人が眼うつすの庭に零余子むかごそよぎてげに外目ほかめなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
母の里外目ほかめの夏は月夜には笛おもしろく子ら吹き立てぬ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)