壊乱えらん)” の例文
如何なる故にかありけむ、その亡骸なきがらみる/\うちに壊乱えらんして、いまだその絵のなかばにも及ばざるに、早くも一片の白骨と成り果て候ひぬ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さて仏間に入りて人を遠ざけ、本尊弥勒仏みろくぶつの体中よりの絵巻物を取りいだし、畏敬いきょう礼拝をげつゝ披見するに、美人の五体の壊乱えらん膿滌のうできせる様、只管ひたすら寒毛樹立かんもうじゅりつするばかりなり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)