塩噌えんそ)” の例文
旧字:鹽噌
突然家計塩噌えんその急に促され、金銭受授の俗談に叫ばるゝが如きありては、思想の連鎖一時に断絶して又旧に復するを得ず。
人生の楽事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
新「行くったって三両ばかりじゃア、塩噌えんそに足りねえといけねえ、蚊帳もついでに持って行って質に入れ様じゃアねえか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
冗談仰言おっしゃっちゃいけません。泥棒に、慈悲、善根なんてものが、ある筈がありますものか。ただ、片一方にゃあ、黄金かねや、宝物が山程あって、片一方じゃ、あすの朝の、一握りの塩噌えんそにも困っている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
又台所の世帯万端、もとより女子の知る可き事なれば、仮令い下女下男数多あまた召使う身分にても、飯の炊きようは勿論、料理献立、塩噌えんその始末に至るまでも、事こまかに心得置く可し。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)