堀田原ほったはら)” の例文
表には左りくぼ、右堀田原ほったはらとある。やみだのに赤い字があきらかに見えた。赤い字は井守いもりの腹のような色であった。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あら大の字の方だわと正直にいふはえくぼの梅子、上の字なんぞ附けてはお万ねえさんに悪いわねえとは、ちびの文子なかなかませたり、下から来た女に堀田原ほったはらの使はと問へばまだといふに
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
もうここは堀田原ほったはらの馬場。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
当時の生徒で、今名を知られているものは山路愛山やまじあいざんさんである。通称は弥吉やきち、浅草堀田原ほったはら、後には鳥越とりごえに住んだ幕府の天文かた山路氏のえいで、元治げんじ元年に生れた。この年二十三歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)