城塁じょうるい)” の例文
旧字:城壘
また疑うのあまり、ひしひしと、城塁じょうるいへ迫って、口合戦をし始めていたりした。およそ夕刻頃には、すでに一触即発の危機はかもされていたのである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれらは治乱興亡のあわただしきを見、また精兵弓馬や城塁じょうるいの一朝のまにはかない消滅を告げて来たのを、土とともにながめて来た古い習性をもっている。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに、信雄と協定した城塁じょうるい破毀はき、領土の分割のほか、徳川方には、現状以外の変更は追求しない。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人まえでおひらきになる風はない。宮はそれをたもとに入れたまま、執行を相手にしばらくは雑談だった。——それも、多くは兵事であった。山門はいまや堅固な城塁じょうるいと何の変りもなかったのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)