土炉どろ)” の例文
今宵、彼女は文机ふづくえのわきに、小さい土炉どろをおいて、薬湯やくとうをたぎらせていた。——そしてこれは徒然つれづれがちな宮中ではよくしていた習性から、さる手書てがきの「古今和歌集」をお手本として手習いしていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新しいむしろをそこへ敷いた。そして一箇の土炉どろと茶碗など運んだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母は、土炉どろへ、火をおこしていた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)