団扇絵うちわえ)” の例文
やわらかになぐさめて、しっくりと可愛がってゆく、という女房ぶりだ……豊国は役者の女房にしかなれず、国芳はがえんのおかみさん、国貞は団扇絵うちわえ
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
また山水画は『銀世界』及び『狂月望きょうげつぼう』等の絵本において石燕風せきえんふう雄勁ゆうけいなる筆法を示したり。摺物すりものおうぎ地紙じがみ団扇絵うちわえ等に描ける花鳥什器じゅうきの図はその意匠ことに称美すべきものあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
寛保かんぽう三、四年に至り始めて色摺いろずり紅絵べにえ現はれ一枚絵の外また役者似顔の団扇絵うちわえようやく流行せり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これに加ふるに国芳門下より出でたる河鍋曉斎かわなべきょうさいを以てし、あるひは団扇絵うちわえ摺物すりものの板下画にたくみなるの故を以て柴田是真しばたぜしんを挙げ、あるひは色摺板本を出せし故を以て菊池容斎きくちようさい幸野楳嶺こうのばいれい
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)