)” の例文
物などがらず、それは見る目も小気味よい飲み振りだった。二十七の若さが、そこには誇って色に出ている。
「旅のお方。先ほどから、気づいてはおりましたが、女一人、父が戻るまでは、お上げ申すわけには参りませぬが、この雪に、そんな所においでなされては、凍え死にまする。——土間へ這入って、芋粥いもがゆなと召しがりませ」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)