商業しょうばい)” の例文
てくてく中妻の里を忘れもせずに商業しょうばいしながら探ねてあるくと、ある日言われた通りの、門構えのうちを探ねあてたのでした。
糸繰沼 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
これはとまた恟りなさいまして、花里に親の名をお尋ねなさると、大阪で越前屋佐兵衞と申しましたが商業しょうばいの失敗で零落いたし、親の為め苦海くがいに身を沈めましたと
いいえ、どれもこれも生噛なまかじりだから駄目なのよ。でも、こんな商業しょうばい
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
其宿の下女に住込ませ己れは「七八チーパー」の小使に雇れたり此後一年を経て明治二十年の春となり妾も金起も築地に住い難きこと出来たり其因由わけは他ならず彼の金起の兄なる陳施寧商業しょうばいの都合にて長崎を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
以前もとすこしばかり、其処を手に入れる時に、お金を用立てた人が死んで、その後家たちは、新橋で旅館をもとからの商業しょうばいにしているので、丁度引受け手を探していた
おもての窓の部屋に、硝子ガラス戸の戸棚と小引出しがずっとならんでいたが、おしょさんの連合つれあい商業しょうばいは眼鏡のわくとレンズを問屋へ入れるだけで、商品がかさばらない商業だった。
秋田で育って県の女学校にはいり、女医を志望していた人には、あまりな商業しょうばいちがいである。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
もう今は残っていません、何にもなくなったから商業しょうばいをはじめたのですね、ねえ、姉さん
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
姉さんの犠牲になって、こうした商業しょうばいの帳附けや監督になんぞなりはしません
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)