咒咀じゅそ)” の例文
またその後まもなく、天平元年四月百官にたまわれるみことのりには「有習異端、蓄積幻術厭魅えんみ咒咀じゅそ、害傷百物、首斬従流」
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
『釈紀』の述義にては籤を田中に刺し立つるは咒咀じゅそにしてもし強いてその田を耕す者あらば身ついに滅亡するなりと解いているが誤りである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それが凝って人の世のあらゆる物を咒咀じゅそなさる! ごもっともにも存じます! しかしそれは過ぎ去ったことです。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
むしろ、義理人情に縋ることしか知らない魂が、その義理人情にも見放されたことに対する咒咀じゅそと、益々依怙地な敵意と、自己保存慾があるだけのことである。
街はふるさと (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
咒咀じゅそは、うそだといい、いや、ほんとだといい——また、あれはある一派の人びとの策謀にちがいないなどと——それからの、まことしやかな流言蜚語りゅうげんひごは、人の心をくらくするばかりだった。
その外ポンボ族は人に頼まれて祈祷をしたり咒咀じゅそをするのを仕事として居ますが、ごく辺鄙へんぴの地即ちヒマラヤ山中のトルボという所のある村落は、一村三十軒こぞってポンボ族であります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)