“呈(あ)” の例文
厩橋側(うまやばしそば)に富士屋という肉屋があって、其所(そこ)の牛肉が上等だというので、時々牝牛(めうし)の好いのを一斤ずつ買って母へ持って行って呈(あ)げました。
『其様(そん)な、君のやうな——』と丑松は省吾の顔を眺めて、『人が呈(あ)げるツて言ふものは、貰ふもんですよ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「家人(うちのひと)が多いんですから何を呈(あ)げたらいいでしょうね。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
郡部へ引っ込むについて狆を田舎まで伴(つ)れて行くのも大儀故(ゆえ)、何処(どこ)か好い貰い手があれば呈(あ)げたいものというので、合田氏へも話しがあったが
君に呈(あ)げようと思つて斯ういふものを
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と、紙に包んで坊様に呈(あ)げてしまいました。