吉田松陰よしだしょういん)” の例文
水戸の安島帯刀あじまたてわき越前えちぜんの橋本左内さない、京都の頼鴨崖らいおうがい、長州の吉田松陰よしだしょういんなぞは、いずれも恨みをのんで倒れて行った人たちである。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こうがかつて吉田松陰よしだしょういん先生のじゅくにいたとき、一夜、他の塾生じゅくせいとともにを囲んで談話しているあいだに、公は時の長州藩ちょうしゅうはんの家老が人を得ないことを憤慨ふんがいした。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
外国渡航に就ては、国禁も有り、吉田松陰よしだしょういんの失敗もあり、併し追々は渡行出来ようで、是非一度は外国に渡り、見聞を弘くし、又砲術なども授って参りたいで、是非姉御の力を
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
すなわちこの説は、革命の絶対排斥論である。維新前後には、この主義をとなえていた、いわゆる勤王派が、日本にいくらかいた。橋本左内はしもとさないとか、吉田松陰よしだしょういんとかが、その一味である。
でも、あの人は吉田松陰よしだしょういんの事件で、九年も禁錮きんこの身だったというじゃありませんか。戸をでずして天下を知るですか。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長州ちょうしゅうはぎの人、吉田松陰よしだしょういんは当時の厳禁たる異国への密航を企てて失敗し、信州松代まつしろの人、佐久間象山さくましょうざんはその件に連座して獄に下ったとのうわさすらある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)