“古版(こはん)” の例文
晶子が捧げた「新訳源氏物語」や僕の捧げた古版(こはん)の浮世絵と自著の詩集などを開き乍(なが)ら、日本の文学美術に就(つい)て何くれと問はれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
口上茶番や遊食会など江戸ッ子の残党が大いに智恵を絞ったもので、古版(こはん)の小話本(こばなしぼん)や柳だるの世に出たのも、これらの手合がまずさきがけ。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
平岡の細君は、色の白い割に髪(かみ)の黒い、細面(ほそおもて)に眉毛(まみへ)の判然(はつきり)映(うつ)る女である。一寸(ちよつと)見ると何所(どこ)となく淋(さみ)しい感じの起る所が、古版(こはん)の浮世絵に似てゐる。帰京後は色光沢(いろつや)がことに可(よ)くないやうだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)