古本屋ふるぼんや)” の例文
そうしてこれまた Hanabusa と署名のある英仏独伊希臘羅甸の書物が、時々本郷通ほんごうどおり古本屋ふるぼんやに並んでいるので、とうから名前だけは俊助も承知している青年だった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二月×日 俺は今日午休ひるやすみに隆福寺りゅうふくじ古本屋ふるぼんやのぞきに行った。古本屋の前の日だまりには馬車が一台止まっている。もっとも西洋の馬車ではない。藍色あいいろほろを張った支那馬車である。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
始皇帝しくわうていがどう思つたか、本を皆焼いてしまつたので、神田かんだ古本屋ふるぼんやが職を失つたと新聞に出てゐるから、ひどい事をしたもんだと思つて、その本の焼けあとを見にまるうちかうとすると
饒舌 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
誰も? ——いや、かならずしも「誰も」ではない。彼の詩集は一二冊神田かんだ古本屋ふるぼんやにも並んでゐた。しかし「定価一円」と言ふ奥附のあるのにもかかはらず、古本屋の値段は三十銭乃至ないし二十五銭だつた。
詩集 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)