“卜居”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼっきょ57.1%
ぼくきょ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余も遂にその気になって本郷台町の柴山という下宿に卜居ぼっきょすることにした。居士は早速その家へ訪ねて来て
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「重巌に我卜居ぼっきょす、鳥道人跡を絶つ、庭際何の得る所ぞ、白雲幽石を抱く……俺の住居すまいは雲州の庭だ」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
市川の町はずれに卜居ぼくきょしたことから、以前麻布あざぶに住んでいた頃よりも東京へ出るたびたび隅田川すみだがわの流れを越して浅草の町々を行過る折が多くなったので
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
国木田独歩くにきだどっぽがその名篇『武蔵野』を著したのもたしか千駄ヶ谷に卜居ぼくきょされた頃であったろう。共に明治三十年代のことで、人はまだ日露戦争を知らなかった時である。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)