博徒ばくちうち)” の例文
その父は博勞ばくらうで、博徒ばくちうちで、そして近郷の顏役みたやうなことをも爲てゐた。初太郎はその父とは打つて變つた靜かな順良な少年で、學問も誠によく出來た。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
所轄署としては、勿論近在の博徒ばくちうちたちの開帳で、刃傷の結果怪我人を出していると踏んだのであるが、踏み込んだ時には既に主人公も病母も、枕を並べて死んでいた。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
金子かねを遣って旅籠屋はたごやを世話するとね、逗留とうりゅうをして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人きちがいのような嫉妬やきもちやきだし、相場師と云うのが博徒ばくちうちでね、命知らずの破落戸ならずものの子分は多し
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
博徒ばくちうちでも破戸漢ごろつきでも、喧嘩に対手あいてえらばないけれど、親類附合は大嫌いだ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうです言種いいぐさは、前かど博徒ばくちうち人殺ひとごろし兇状持きょうじょうもち挨拶あいさつというもんです。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)