十夜じゅうや)” の例文
「なんだか時雨しぐれそうでございます」と、お兼は縁側をふきながら薄暗い初冬の空をみあげた。「今晩からお十夜じゅうやでございますね」
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
御忌ぎょき御影供みえいく十夜じゅうや、お取越、御命講おめいこうのやうな事でも各地方のを写して比較したら面白いばかりでなく有益であらうと思はれる。(六月二十日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「——あんなに熱く言っていたんだから、もう訪ねてこなけりゃならねえ筈だが。はてな、悪くすると、またお十夜じゅうやにでもふん捕まってしまったのじゃねえかしら? ……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
田舎では商人あきんどの仲間に帳元と云うものが立って居りやして、その帳元へ寄合よりええをして、何処に市が有ろうとも十夜じゅうやが有ろうとも、皆帳元の方から、の品物は幾らに売れと云う割合わりええを持って出る訳で
「お十夜じゅうや
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
十七の時だね、十夜じゅうやの帰りがけにそれ芋畠ずいきばたけに二人立ってたろう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おや、お前は、お十夜じゅうやじゃないか」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秋┌十夜じゅうや御命講おめいこう 秋┌七夕
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)