“匍出”の読み方と例文
読み方割合
はいだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二年ののちには、あわただしく往返する牽挺まねき睫毛まつげかすめても、絶えて瞬くことがなくなった。彼はようやく機の下から匍出はいだす。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
手も、足も、だるかった。彼は臥床ねどこの上へ投出した足を更に投出したかった。土の中にこもっていた虫と同じように、彼の生命いのちは復た眠から匍出はいだした。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
水戸はその影線を選びつつ、しずかに匍出はいだした。彼は観測器械の据付けてあるところまで後退しようと考えた。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)