勘気かんき)” の例文
旧字:勘氣
それから、ヘンデルがジョージ一世の勘気かんきを許されたという、有名な組曲「水上の音楽」は、二十幾曲のうち十幾曲だけ入っている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
「きょう直々じきじき、こういう仰せ付けをうけたが、これは勘気かんきをゆるすという御意ぎょいだろうか。無言のおゆるしと解していいだろうか」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひたすらご勘気かんきのゆるされる日を待つのみでした。その間に、藤井紋太夫一味のしていることも、およそ調べあげました」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勘気かんきをうけて謹慎中にある者が——と、老母は、なお今朝の秀吉を疑い、むしろ思い過して、不安をすらおぼえた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お蕗母娘おやこが行方知れずとなった汁講しるこうの夜、老公のさしずなく、母娘おやこのすがたを翌日まで探し歩いたというとがで、老公の勘気かんきをこうむり、悄然、西山荘を去った悦之進だった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春や過ぎたりといえど湯上がりの寝心地、身は勘気かんきの境遇といえ青春です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)