刺又さすまた)” の例文
うなじには銀の頸飾くびかざりをかけて、手に一本の刺又さすまたをかまえて一ぴきチャー(西瓜を食いに来るという獣、空想上の獣で、猹の字は作者の造字)
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
忽ち、濠の水面へ、分銅繩ふんどうなわが飛ぶ、刺又さすまたがさぐる。そうして、組み合ったままの二つの人体を、陸へ引揚げました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
論争の刺又さすまたをもつてゐる。
月の明るい時に、ガリガリガリガリいう音が耳に入ったら、そいつあ猹の奴が西瓜を噛っているのさ。だからすぐに刺又さすまたをかまえて忍び足で進み寄ってさ、……
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
刺又さすまたを持ってるじゃねえか。進んで行って、チャーを見つけたら、すぐやっつけるのさ。あん畜生それや悧巧な奴だから、人間の方へ向って駈け出し、そして胯の下からすり抜けて逃げてってしまうのさ。
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)