判官はんぐわん)” の例文
先年貞奴さだやつこ巴里パリイへ来た時に用ひた楽譜から採つたと云ふ事だが、大阪侯(実は判官はんぐわん)切腹の場でその陽気な調子を奏するのだから僕等日本人にはたまらない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
両優ふたりとも若盛りで人気を争つてゐる間柄だつた上に、出し物は仮名手本かなでほん忠臣蔵で、仁左が師直もろなほ、鴈が判官はんぐわんといふ役割なので、双方の贔屓々々は両桟敷に分れて
あまりにも眩ゆき判官はんぐわんのまなざしをもて
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)