初重しょじゅう)” の例文
そうですね、いつぞやも御天守の初重しょじゅうで、お宿直とのいの方々が、その品さだめでとりいてしまったそうです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
塔はまだ、厳重にやらいを組んだまま、人の立ち入りをいましめてあった。でも、ものに拘泥することを教えられて居ぬ姫は、何時の間にか、塔の初重しょじゅうの欄干に、自分のよりかかって居るのに気がついた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)