分別臭ふんべつくさ)” の例文
やや分別臭ふんべつくさいのまでが、何しろ天下の豪傑だから、このくらいのことは無理もありますまい——と痩我慢やせがまんをする。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だが、その外貌に、それと肯く分別臭ふんべつくささはあっても、およそ彼女の肉体の上には、どこにもそのように多い数字に相応ふさわしいところが見当らなかったのだった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
分別臭ふんべつくさい顔をして、そこらを見廻した。仲裁ちゅうさいのようでもある。で、これをしおしてしまえばよかったのだが、頭から喬之助を見くびり、あくまでんでかかっている近江之介である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)