“冷寂”の読み方と例文
読み方割合
れいじゃく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか、お綱のいる所は、冷寂れいじゃくとした仏地ぶっちである。吉原じりから千束せんぞくをぬけてきたとすれば、そこは多分、浅草の観音堂。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人を殺害せつがいしにゆく人間にも、山は冷寂れいじゃくな反省と幽美な感激を与えている。けれど人間はなかなかそれにひたりきらず、邪念なかなかそれには消えない。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女がいるという言葉が、忽ち、ふだんは冷寂れいじゃくな——今は殺伐さつばつな——この寺内に異様な衝動を起したらしい。番僧たちが、いり代り立ち代り、そののある部屋を覗きに来るのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)