円卓子まるテエブル)” の例文
旧字:圓卓子
大きな円卓子まるテエブルにつこうとして、さて、それがあんまり大き過ぎるので、何処へ坐ったらいいのかまごまごした。
恢復期 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
白い布をかけた円卓子まるテエブル。その上のシネラリアの鉢、紅茶と菓子とサンドウィッチと。——卓子テエブルを囲んだ奥さん達は、私が予想していたよりも、皆温良貞淑そうだった。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
秋山氏は、真中まんなかに据えたおおいなる大理石の円卓子まるテエブルひじをつき、椅子にかかって憩いながら、かりそめに細巻をくゆらしていたので、もっとも裸体はだかで、まとえるは一片ひとひらの布あるのみ。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いよいよその別荘の真白まっしろさくが私たちの前に現われた瞬間しゅんかんには、その柵の中の灯りの一ぱいに落ちている芝生しばふの向うに、すっかり開け放した窓枠まどわくの中から、私の見覚えのある古い円卓子まるテエブルの一部が見え
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)