内儀様かみさま)” の例文
旧字:内儀樣
「ま、お内儀様かみさま、そう取りつめて、お考えなさるからいけません。阿波へお帰りなさらぬの、死んでしまうなどと、そんなにまで……」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恩ある人は二年目に亡せて今のあるじ内儀様かみさまも息子の半次も気に喰はぬ者のみなれど、此処を死場と定めたるなればやとて更に何方いづかたに行くべき
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此奴こいつうも、お内儀様かみさん此間こねえだお寺へ墓参はかめえりにふりいして麹屋へ行って証文ぶって来たてえ、此の阿魔こりゃアてねえ、えゝ内儀様かみさま、義理も人情も、あゝこれエ本当に何うも打てねえ阿魔だ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いえ、私もお内儀様かみさまについてきながら、こういう大事をひき起こしたのですから、その罪は同じでござります。けれど、お金のことですから、死んでお詫びを
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)