其限それきり)” の例文
お山はちよツと時計をのぞいて、『オヤもう四時だよ。お大、人を呼込んでおいて、用事は其限それきりかい。又うちを明けてあるんだらうから、日の暮れないうち、早くお歸り。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
罷めさせられると其限それきりです。めさせられると死にます。死ぬ許りです。餓ゑて死ぬ許りです。貴君方は餓ゑた事がないでせう。嗚呼、私は何處へ行つても大きな眼に睨められます。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)