六田むつだ)” の例文
維盛を始めとする小松殿の兄弟六人が、千騎ばかりで一門に追いついたのは、淀の六田むつだ河原近くでだった。さすがに宗盛の顔は喜びをかくし切れなかった。
吉野口で乗りかえて、吉野駅まではガタガタの軽便鉄道けいべんてつどうがあったが、それから先は吉野川に沿うた街道かいどうを徒歩で出かけた。万葉集にある六田むつだよど、———やなぎわたしのあたりで道は二つに分れる。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
うすぐもり風もにほひて霞むかな六田むつだの淀の青柳の原
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)