八月はづき)” の例文
其のあす雀部ささべにわかれて、八月はづきのはじめみやこを立ちて、九三木曾路をるに、山だちあまたに取りこめられ、衣服金銀残りなくかすめられ、命ばかりを辛労からうじて助かりぬ。
まづ九重ここのへを、きびしくかため申すべしなど定めたり。かくいふは元弘げんこう元年八月はづき二十四日なり。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まのあたりなるさへいつはりおほき四九世説よがたりなるを、まして五〇しら雲の八重に隔たりし国なれば、心も心ならず、八月はづきのはじめみやこをたち出でて、五一岐曾きそ真坂みさかを日くらしにえけるに
秋去り春来りて、一四七其の年の八月はづき十日といふにまかり給ふ。